ホウセンの煩悩箱

相場と煩悩 うぬぼれと内省の無限反復

気配が薫る春

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来月の寺の大行事に備え、仕事を休んで寺の掃除などをしていると、古そうな箱が三つ。

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開けてみると、寺の変遷や、かつて江戸時代末期にこの寺にいた天才僧侶にまつわる書物類のようであった。

現在は浄土真宗本願寺派の寺だが、以前は真言密教の寺だった。とか、歴代の住職はどこの寺から入寺したとか、当時の天皇さんは誰だとか、そんなことが書いてあるようだ。詳しくは読めないので、変態古物収集家の同期に写真を送って読んでもらう。



江戸末期に入寺した「古貫」という僧侶の存在は以前から近隣の住職や恩師の先生から聞いていたが、実際に京都の本山から安吾(全国の変態学僧が年に一度本山に集まる勉強会)への講師依頼書などもあって、どうやらホントだったらしい。

言い伝えでは14歳で「往生論註」というクソ難しい書物の講義を、大人僧侶相手に本山で解説したという。

いつの時代も、「一回読んだら一字一句正確に思い出せる」タイプの天才は世に存在するが、彼もまたそういうタイプだったようだ。

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ある巻物には、先代の住職達が名前を筆で書き加えていて、私の先先代で止まっていたので、妻の実父である亡き前住職の法名と私の法名、出身を書き加えた。

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残念ながら今回の住職は、のらりくらりと遊んでばかりの生臭坊主だが、こういった先代の系譜が、私の至らなさ・不勉強さをギロリと睨んで見守ってくださるのだろう。

ワインうま。